白と灰/木立 悟
 


夜明けの手を絶ち
かたちなきものを奪い
罪を重ねる


やがてうごめくものたち
うごめくものたち
偽りの鳥たち


限られた光の下の影ふみ
遠くゆうるりと
震える獣の星


無数の小さな波間に漂う
花のようにまるい水 まるい空気
夜も月も知らないその虹


静かな光が
また一歩にこやかな無へ近づく
つづくことなく
ここで終わるものたちの水が
手のひらにはじける










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