空と窓/
信天翁
空は窓のための背景ではない
汚血に支配された脳神経を
研ぎ澄ますためのものだ
(小春日和なのに
わたしの空はなぜ軽量なのだろう)
窓は空のための額縁ではない
水毒におかされた胸のうちを
解きほぐすためのものだ
(五月晴れなのに
わたしの窓はなぜ鈍重なのだろう)
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