夢現/OLGA
 
人は現実で生きている
人は生きていくうえで嘘を必要とする
その嘘には良い嘘と悪い嘘の二種類がある

良い嘘は自分や他人を守る盾
守る嘘は自分と他人の間に溝を作る

悪い嘘は他人を傷つける鋭利なナイフ
それは他人の心を傷つけ隙間を作る

ひとつは防衛

ひとつは攻撃

そうやって人は生きていく
そして人は嘘をつきまた嘘を重ねる
それは人が嘘をついたことを忘れるから
人は眠ることで―――夢を見ることで現実から離れる
やがて人は現実を離れ夢へと堕ちていく
夢が現実をぼかし人はその余韻にひたる
その快楽によって人はリセットされていく
そして人は行動する
やがて人はまた同じ場所にたどり着き同じ事象を起こす

人は夢と現実の引力に曳かれてまた同じことを繰り返す

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