空き缶/石畑由紀子
 
  
  
公園のベンチ下で寝ころがって
グレープとの蜜月を思い出す

黒蟻に残り香を葬られ
雨風に何度洗われてもまた

消えないタトゥーを指でなぞって
グレープのことを考えている






戻る   Point(3)