スクリーミング・クイーン/佐々宝砂
飾り気のないティー・カップにアッサム
白濁の理由はミルクではなくて
「また毒いれてんの 飽きないねえアンタ」
白い家の少女は声の主を見上げる
そのひとは少女にとって憧れのお姉さま
豊かな金髪 驚いたように見はった碧い目
絶叫のかたちに開かれた唇
真っ白な指先にはナイフのぎらり
すらり伸びた美しい足には血液が伝わり
そう そのひとは美しいスクリーミング・クイーン
「ええ お姉さま 毒殺には飽きないわ
こんなに楽しい殺しはないわよ
でも手持ちの毒薬の種類には飽きてきたの
なんか面白いのない?」
「そら アンタ いちばん楽しい毒薬は
アレに決まってんじゃ
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