追憶/ネット詩の悪魔
 
乾いた南風にたゆたう
季節のゆらめきが
消えた午後

突然振り返る

反射は音もなく熱を帯びて現れては
空と息継ぎの境界線を漂う

撥ねる水飛沫の淡い影
触れてすぐに手を引っ込める

何かを忘れたことさえも
もう思い出せない

僕たちはここにいる
ただ感じるために

振り払うことができない
この湿度

甘い香り

湧き上がる

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