ぽえむ君−葵詩−/ぽえむ君
 
ぼくは詩を書きたい

ふさわしい名はつけるのではなく
生まれるのである

今日もまた

朝の散歩をしていると
葵に出会いました

人が生まれるまえから
そこにあり
その葉は人の心臓に似ている

人が言葉を生み出すまえから
そこにあり
その葉は自らを語る

人に名づけられるまえから
そこにあり
その葉は他と区別される

あふひと名づけられたその葉は
逢う日と同じ音を出し
人の心の中に浸っていく

葵に出逢い
その葉と名に
感謝する自分があった

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい
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