ふわり/雄太
 
答えを伝えきれないまま
約束は坂道を下ってゆく
薄桃色したあなたの夢は
風に吹かれて宙を舞った

遥か春はまだ風と歌って
気付かぬままに通り過ぎ
身を置いた生温い空と夜
上り坂がやけに優しくて

やがて訪れた木漏れ日と
少しだけ肌寒い縁側に猫
白い空から降る世界なら
遠い昔から未来だったか

答えは風に吹かれたまま
思い出が坂道を下ってく
想いも風に吹かれたまま
追憶と坂道を下ってゆく

薄紅色したふたりの夢が
ふわり舞い上がり落ちた

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