雨上がりの蜘蛛の巣は綺麗になったよ/こめ
確かに君の胸の鼓動の音は聞こえる
けどその音の本体が見あたらないよ
愛しい人から作ってもらった
ミサンガは君が置き手紙を残し
出てった日にプツリと切れた
そのミサンガに込めた僕の願い
君とずっと一緒にいるって願いは
もう届かない所にしまわれてしまったよ
君が出ていったどしゃぶりの雨の日
僕は手紙を見た瞬間雨の中
走りまわってもう見えなくなった
君の影を追い続けた
冷たい雨を浴びながら
途方にくれて泣きながら
公園のベンチに腰掛け
電灯の明かりだけが
僕のこころを照らしていた
気が付いたら僕は雨上がりの
朝日のなかで悲しみを語っていた
雨上がりの蜘蛛の巣が
とても綺麗になり
この前までいやだった
蜘蛛の巣が少し好きになった気がしたよ
心切り取るハサミがあるなら
僕の心を切り取ってください
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