灰 ?/木立 悟
 



午後の太陽を舌でころがしながら
うすく目をあけ
融けてゆく自身を見つめる


けだものは雨を見ない
けだものは雨のなか
血を流している


風がとどまり
何かを描いている
木々のはざまの
確かな何かを


ゆらぎがある
数え切れないゆらぎが
空の次の空をも貫き
高く高くつづいてゆく










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