灰 ?/
木立 悟
午後の太陽を舌でころがしながら
うすく目をあけ
融けてゆく自身を見つめる
けだものは雨を見ない
けだものは雨のなか
血を流している
風がとどまり
何かを描いている
木々のはざまの
確かな何かを
ゆらぎがある
数え切れないゆらぎが
空の次の空をも貫き
高く高くつづいてゆく
戻る
編
削
Point
(1)