[ お姫様の話 ]/渕崎。
 
わたしの中には、小さなお姫様が棲んでいて。
そのお姫様はじっとココロの隅っこにしゃがみ込み、もうずっと何年も長い間不貞腐れているのに今にも泣き出したいのを我慢してずっと大好きなママが自分を見つけてくれるのを待っているのを「わたし」だけが知っている。

そのお姫様は、
お姫様でしたからとてもとてもワガママで、
なんでも物事が自分の思い通りに行かなければ、
何時だって癇癪を起こして地団太を踏んで、
周りの人が困っても意地を張って絶対にこれといって譲らないくせに、
人見知りが激しくてとても寂しがり屋で、
何時だって大好きなママにぺったり張り付いて、
抱っこして抱きしめてと赤ちゃんみたいに甘えてねだってる。


わたしの中に棲んでいる、小さなお姫様。
そのお姫様は今でもずっとわたしのココロの隅っこに隠れて、何年も長い間ずっとひとりぽっちで泣き出したいのを我慢してずっとずっと大好きなママが自分を見つけてくれるのを待っているのを「わたし」だけが知っている。


そのお姫様の正体は、
きっと本当の「わたし」の姿。
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