携帯電話というやつが憎い。/
影山影司
憎いぜコンチクショウ。
何故にあいつはプルプル震えるのだ。
何故にあいつはこっちの事情お構いなしに客人の来訪を知らせるのだ。
僕は電話が嫌いなのに。
プライベートを破り捨てるように着メロを鳴らす。
僕は電話が嫌いなのだ。
電話がかかってきたら携帯を布団の下に隠す。
モモモモ、とくぐもった声で鳴く携帯を、必死で無視する。
そして翌日、どこに置いたか忘れて必死扱いて探すのだ。
憎いぜコンチクショウ。
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