不思議な夢を見ました。/胡蝶
 
暗い廃虚。
僕と走るもうひとつの姿。
あれはもしかして彼なのであろうか?
ふわりと軽く細い体は狭いパイプラインもすり抜けて回りを見渡す

畜生。どうして俺がこんな事しなきゃならないんだ。
あんな奴捕まえるのなんて俺みたいな下っぱじゃ無理だろうが
嗚呼分かってる、なんとか・・・ってゲッあいつだし。
かっ、隠れなきゃ!見つかる、見つかるっ

服着替えたんだろ?と誰かが言った。
当たり前だろとアタシが答える。
廃虚の外側、ゴロツキが集まるバーでアタシは自分の重要さを認めていた。
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