夜(銀と指)/木立 悟
 



迎える手
花びら
夜の青の水
二つから那由他への
同心円の道をゆく



数は消えてゆく
光が還る場所に
生まれ 育ち 死ぬ波
指と指の間の無に
立ち止まる



野良猫の見えない笑み
逃げ出した飼い犬たちの集まる場所
もうひとりの自身の指にからませようと
道の端に立つ少女が手をさしだしている
土を撲つ音が
時間を赤く腫れあがらせていく
畜生の墓に咲く花
砂が道を二つに分け
無数の少女の手を銀色に光らせる
道の終わりまで並ぶ
たなびく髪の根元まで












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