砂流歌/
アマル・シャタカ
砂の上に
時をばらまいた
風が吹いて
時間が流される
帰らざる時の終わりに
横たわる
あなた
打ち寄せる波間は
遠き日の思いを映す
思いが心を焦がす前に
光よ
わたしを貫いて
足りないものだけが世界を作り
必要なものはすべて
生まれなかった
せめてもの思いを
砂上に書き留めたけど
風に流され波にさらわれた
今日もわたしは
ここにいる
何もないわたしは
足りない世界で
誰かの足跡を見つけ
そしてじっと
消えゆくのを眺めている
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