通い女/狸亭
 

門前町の 御下屋敷あたりに
囲って 折節通い合い お互いに
密かに会っては 愉しんでいると言う
好色一代男に 涙雨

その涙の雨とは言え 早七年
流れる時の魔物 これこそ因縁
とも言うべきで 今風の通い女
大空飛んでやって来る ニルヴァーナ

男と女の絡み合いこそ 元始
食って糞垂れてヤッテ眠る 善し悪し
以前の丸ごとの営みそのものだ
日毎夜毎繰返している なもうだ

今の世に ほんとの愛があるもないも
そんな理屈抜きにして 心の繁茂
掻い潜れば そこに現れるダイアル
廻すと 色鮮やかな迷路の リアル

唯 生きてあることだけは確からしい
縄文弥生その
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