逝く、レタス/
たもつ
先端のあやふやな人が
細長い話をしていたので
窓をもち歩く人が
そっと窓をしめる
何かが入り込むように
何かが出て行こうとするから
わたしは遅い夏の陸橋
レタスが逝った日のことを話した
その下を走り抜けるトラックの
荷台がきれいだったと話した
いのち
と言って先端のあやふやな人が
一番近い空をあやふやな先端で撫でると
閉ざされた窓の中で
わたしはまだ幼虫のように
子供であり続けた
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