微笑むおばあちゃん/山崎 風雅
ほころんだ心
うずくまりひざを抱える
ぼんやりした朝焼け
僕の目は光る
とりとめのない会話
かみ合わない話
意味のない詩を
意味ある詩に変換する作業
このノスタルジー
感じたヒエラルキー
この世界に言葉はいらなかった
皆が王様 王女さまだ
ぶつかり合うのは当然で
僕の居場所が無くなってしまう
いや思いなおした
言葉はやはり必要だ
ただ凶器になるのも確かである
一息つきながら
歩く人生
戸惑いながらも
今日歩く
思い出せない言葉がある
いっせいに花を開ける春も終わる
僕にも終わりは来る
不安は闇の中散らばっていく
理想世界は
金のいらない世界
争いの無い世界
欲望の奴隷にならない世界
満月に吠えたくなりし独り夜に
生きる意味をば探して徹夜
こんな僕にでも
おばあちゃんは微笑んでくれた
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