光臨/天野茂典
 
凍てる指よ
  松井の骨折のように外野は
  草が深い
  ぼくの夕陽から伸びる野の球。
  眼球のようにやわらかいものが骨折している
  ぼくのさみしい眼球譚が
  そうして麦笛にのよう
  
  に宇宙にむかって
  ぬれた薔薇のような快感をひきよせる
 
  指の外の光臨!




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