真夏のイヴ(第2稿)/セイミー
 
岩の上だと思う
おしりにこころの痛みを感じて二人並んで
腰を下ろすんだ
ぼくが「冷たいね」っていったら君は
「そうね。」なんて言っちゃいけない
「そんなことないわ。」って言うんだ
「悲しいよ。」って言ったら
「何寝ぼけてんのよ。」って言うんだ
「あっちへ行けよ。」って言ったら
「ここがいい。」って言ってほしいから
「臭いせりふだろ。」って言ったら
「そんなことないわ、素敵なせりふよ。」って言ってほしいから
だからぼくは夜を裏切らない
月の響きを含んで膝をかかえる君も裏切らない
いちまんの星たちが
意味もなく光っているなんて信じられるかい
天文学者や物理学者はそこに小
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