真夏のイヴ(第2稿)/セイミー
真夏のイヴよ
ぼくがぼくであるうちに
君は君に出会えるだろうか
ぼくがぼくのほおやくちびるに出会うように
君は君に出会えるだろうか
ぼくはぼくの思いの中にすべてを形づくっているのに
君は君の本当を気づいていない
真夏のイヴよ
ぼくがぼくであるうちに
君は君には出会えない きっと
ぼくがぼくから出ていくとき
君ははじめて君に出会う
思い切り飾らない言葉で言ってやろうか
ぼくはたった今君に出会うから
君もぼくに出会う
そのときはじめて君は君自身に出会える
たぶんそう
君がそうして座っている間にぼくは
ぼくの外へ出て君の横へ座るんだ
そこはたぶん黒い岩の
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