茫白/
木立 悟
空の明滅
月の繭
ささくれだった昼の陽の白
遠くにいるもの
遠去かるもの
時間に消されることのないもの
冬の霧が
音の無い滝となり
落ちてくる
地から立ちのぼる翼が
蒼昏い空を分けてゆく
星が星だけのためにまたたいている
弱者の手を壊さない強者の手がある
あたたかい闇が冷えてゆく
はばたくもの
さえずるものの影を
白く削りとる朝がくる
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