天涯/
木立 悟
空がうねり
濃さがまわり
夜は満ち足りる
放つもの
発するもの
それらに応え
季節は猛る
風が風に入り込み 抜け出る
けだものが雲の履歴を見つめる
残されることも
伝えられることもないものがきらめき
つづいてゆく
独りの音が午後をわたる
天の底の
光のしたたり
たどたどしい言葉が
空の水を追い越し
飛び去ってゆく
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