カタギリさんを探して2 クリ編/クリ
さて、僕はカタギリさんに会ってみたいかというと、会いたくない。何かとてつもなく恐ろしいことが起こる気がする。
もしカタギリさんが僕と同じくひどく美形であったり、知性豊かな人格者であったとしても、だ。
決して会いたくは…。ん?
そういう傲りたかぶった奴にこそ会いたくない、だって? ふん、嫉妬だね。
本当はカタギリさんと会って、よく話し合い、仲良くなったほうがいいことは、知っている。
カタギリさんだって、今ごろ僕のことを聞いて、ものすごく気になっているだろうから。
前に書いた連作詩『ウィリアム・ウィルソンの肖像』は、もちろんポーの小説から取ったタイトルと内容。
人間のクローンは世間一
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