萎んださくらんぼう/山崎 風雅
灰色の雲の下
黄色い笑い声だけが
やけに眩しい
凸凹道
僕の生きざま
君の胸に鮮やかな
言葉を刻むことなんて
できやしない
ただ
君の話しはよく聞くから
君の気持ちに寄り添うから
朝早く母からの電話
罵声を浴びて
今日は萎んださくらんぼう
いずれは分かってくれるんだ
この道は見たことのない景色まで
続いているんだ
そう自分に言い聞かせて
へんな気持ちだって
気のきいた
南風が拭ってくれる
鏡に向かって
呟いてみる
本当はすごいかもしれない
この男
一人で孵化するまで
時の鐘がなる季節を
待っている
せめてこんな日には
血の色に染まる
夕日が見たかった
暗闇が背後から
擦り寄ってきている
さぁさぁ
お買い物にいかなきゃ
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