詩はまだ倒れない/ブルース瀬戸内
手段では追いつかない部分が多々ある。
私たちの想像力を瞬時に広げ、
感情の奥の奥を揺さぶるのは
詩である、と信じている。
現代は言葉の溢れる時代である。
それ故に
ひとつひとつの言葉の重みが
喪失されているのかもしれないが、
そのことが逆に、
感性を揺さぶる言葉の渇望を
もたらしているのではないだろうか。
上述の詩の魅力が再認識され、
その威力が存分に発揮される時代が
またすぐに来ると思う。
アウシュビッツの後も、
ヒロシマ・ナガサキの後も、9.11テロの後も、
詩を書くことは決して野蛮ではない。
いやむしろ私たちは書かねばならないのではな
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