Luciferised One ?/
木立 悟
音の一粒
音の一群
森のむこうに見える森
壊れた城も 偽りの城も
ほんとうの城も遠すぎる
風を浴びて立ちつくし
地図の上の文字に眩む
なんのつながりもなく
知るはずもないもののために
息は光になってゆく
守るべきひとの胸元に
けだものの持つなにものも到(とど)かない
夜に満ちる羽
羽がつくる風
波を切る背
たなびく羽
けだものの涙を聴いている
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