闇の中行き先も分からなくなった愚かな迷子人/こめ
ゆっくりと時は流れていく
時間は永遠の旅人とだった
月明かりが妙にまぶしかった
小さな子供たちが
はしゃぎながら僕の横を走っていった
僕にもこんな時期があったんだなと
そしてひとりぼっちだったんだっけと
思い出した
僕のポケットには
あふれんばかりに
思い出が詰まっていた
どれも大切な宝物だった
もうすぐ明日がくる
僕にはもう何もしなくて良かった
公園のベンチに腰掛け
電灯の明かりに蛾たちが集まっていた
僕はひとりぼっち
この闇の中
行き先も分からなくなった
愚かな迷子だった
僕の体どんどん冷たくなり
等々氷より冷たくなった
心さえ冷たい僕は
辛い世界を否定しながら
自分の肩をだき
ひとりぼっちのまま
誰も知らないまま
泣いていた
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