渡る世間は神ばかり/山崎 風雅
 

 夕暮れ時
 ゆっくりとカーテンが閉じられるように
 昼の喧騒はその熱を放射していく

 取り残されて
 口ずさむ歌は
 いつも同じで

 タイミングを図って
 振り落とされるイベント

 太古の昔より
 引き継がれし
 歌声は
 静かに僕達の心臓のリズムと同じく
 響き渡る

 しばしの平安
 時を告げる鐘の音が
 心地よい

 僕だけの物語
 少し共有してくれるだけでいい

 渡る世間は神ばかり



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