リフレイン/佐野権太
 
ねずの波間に
抗う術もなく
不規則に浮き沈む夜は
瑠璃のしずく
そっとほどいて

乳白色の束を覚えず
春の浜にまどろむ

理不尽に打ちあげられし
砂にまみれた海藻は
幸か 不幸か
まだ柔らかい被膜
爪先でなぞって

波音だけは
いつも優しく
髪を梳(す)くような
リフレイン

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