駄目女とでんでん無視/蒼木りん
 
死んだかと思ったでんでん虫が
生きていて
家の壁に這っていた

脱皮したのか
少し大きくなっていた
気がした

殻のおくで
じっと
この季節を待っていたんだ
殻が壊れなくてよかった

ずっといてくれよ
この家の庭に

わたしはさ
駄目女のままなんだけど
おまえ
ひとりで
ちゃんと生きている

・・・・・
ぜんぜん無視だな

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