ぽえむ君−草魂−/ぽえむ君
ぼくはイヌムギ
麦に似ているけど
人間にとっては有用ではない
でもそれは人間が勝手に決めたこと
今日もまた
朝の背伸びをしていると
子供に出会いました
どうやらぼくが邪魔らしい
シャベルでぼくをすくい上げ
ちょっと脇にどかされた
それでもぼくはイヌムギ
そんな程度じゃ
すぐにまた
根を下ろしてそこで生きるよ
なにやら大人がやってきた
スコップでぼくや仲間をすくい上げ
遠くへ飛ばされた
それでもぼくはイヌムギ
そんな程度じゃ
すぐにまた
根を下ろしてそこで生きるよ
今度はブルトーザーか
ぶ厚い鉄板で世界ごと押し出し
別な次元へ
それでもぼくはイヌムギ
そんな程度じゃ
すぐにまた
根を下ろしてそこで生きるよ
イヌムギに場所はいらない
明日もまた
場所のない詩を作りたい
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