夜に向かう実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタイン/大村 浩一
光りゆらめく豪華船上レストランが無ければ
老いぼれたハイエナみたいに見えるなあこの船は
船底に海草をズルンズルン引きずりつつ
何を実験するのかも思い出せないまま
それでも夜を生き夜を愛するものたちのために
実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインは
ひた走り続ける
重力式鳩時計が遂に落っこちてきて
サブマリン747のブン殴り副長の脳天を直撃
さすが副長、反射的に側にいた航海長を殴りとばし
(イヤァーーカラダハ正直ダネ)
いつものように艦内全ての陶器磁器便器を粉砕する
大喧嘩が始まる ※2
専属オーケストラは何があろうとムーディな演奏
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