雨を瞳に/オオカミ
まるで
朽ちていくみたいな骨ばった身体で
めをつむった
とがった顎
厭世の微笑み
イヤヨの発音で
惜しんだ
雨の上になにがあるのかはしらない
目でみえないし
触れられないし
20になったわたしは未だにかなしい
かなしい事実ばかりが
夢のように祝福する
今を
何遍の詩をかいたのかわからない
くじらが好き
月の光が好き
ホエールウォッチングに行きたいねと
あの未来の約束だったかもわからないまなざし
今は
幸福も悲しみも
お風呂上りのにおいに似ている
とおもった
うたを
きいています
イヤヨの発
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