仮面の舞踏/
前田ふむふむ
蔽う虚飾の仮面を、
雑踏のなかで脱ぎ捨てて
春のひかりが輝く、朝の祈りで満ち溢れた
みずうみにボートを浮かべて、
清涼な時の決済をつくりだすのだ。
其のために、わたしは、磁場で歪んだ、
矛盾する腐乱した潮風を、
この、か細い胸で絶えず受け止め続けるのだ。
そして、虚栄に染まる真夏の強い西日を
あえて受け止めるのだ。
狂おしく熱望する、攪拌した経験の森が、力強く躍動する
平凡という喜びのために。
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