蛙の日/
たりぽん(大理 奔)
聖なるものに祈った
いつしかハンドルは汗ばみ
私は叫んでいた
が、灯火の中のその白い影は
タイヤを一回転させるごとに
霊的で、聖なるものに近づくのか
私は進んでいく
赦しなど意味がない
救いなど存在しない
ただ、雨が降っていて
前照灯が照らす小さな視界に
跳ねるものがあるのだ
雨粒とは違う動きで
ぬれたアスファルトの上を
跳ねるものがあるのだ
私は進んでいく
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