それはいつか消えゆくのだから/
春日響
忘れる前に振り向いて
氾濫した川に飲み込ませて流させて
嗚呼 今日は月が明るい
だなんて呑気に呟く場合じゃない
鋭い眼光で凝視して
無駄な笑いは捨てましょう
胡蝶蘭でも何でもない
それはただ醜いだけって
酷な顔で泳ぎましょう
それでもあたしはあなたが好きです
溺れても息が絶えても
忘れる前に振り向いて
どす黒い水もきらり
どこか光を反すはずだ
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