ナガラ族の最期 -旭-/クリ
 
千尋の谷めがけ
放り出されたライオンの子のようであった
ムササビ型、猫型、豚型、コモドオオトカゲ型
落ちる姿をいくら変えてみたところで
着地の結果はたったひとつきり

その人は歌いながら
何故歌うのか考えずにはおれなかった
だから誰も聞いちゃいないことに
なっかなか気づかなかったのは、悲しい
失敗だった
失敗することの目的だけはすぐに分かったが

その人は、書き出してから書く目的を探すのであった
大詰めを書き終えつつまるで神業のように
何を書いていたのかが明らかになるのであった
しかしそれは(推敲してないし)その人の技量ではなく
リンゴが落ちるのと同じことだった

Monkさんと嶋田poo作さんに捧げる

                      Kuri, Kipple : 2002.07.09

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