ナガラ族の最期 -旭-/クリ
その人は、生きながら生きる目的を探すのであった
それはまるでコアラのなまけもの…、じゃなくて
なまけもののコアラがいきなり
グレートパリアフリー、いや、リーフに突き落とされたかのようで
彼は苦労に苦労を重ねたクローン人間、いや、苦労人なのであった
それならまだましなほうだ
ほとんど飛べない鶏、それもブロイラーの分際で
セスナからブンッと投げ出されたと同じ程度に
命知らずの身のほど知らずでもあった
その人は、美しい女を愛してから
愛し方を模索し、愛を考えるのであった
よって傷つく以上に傷つけたし
傷つけたと承知している以上に傷つけていた
それは産まれてすぐに千尋
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