からす/ケンタロウ
俺が言っていた人生と言うのは
実は人生ではなく
青春だった
窓辺から飛ばす紙飛行機
いつか失速して落下して
惨めに土へと還る
結局 君を受け止めるのは
この2本の腕
5本の指
1つの心
しかない
それ以外ない
母を呼ぶ
夕方の公園
揺れるブランコ
風の音
夜になればみんな盲目
人の心なんて最初から見えはしないのに
今日もグラスを片手に入り込もうとしている
立ち入り禁止 安全地帯
ここから先は
俺一人
滑り台で加速していく
なにを失い
なにを得たか
という
所詮、損得勘定
窓辺から飛ばす紙飛行機
いつか失速して落下して
惨めに土へと還る
手垢がついていても
手を握ってくれますか
涙と鼻水で汚れた袖
早く迎えに来てください
ゆうやけこやけ
からすといっしょにかえりましょ
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