今思うこと/命鈴
 
幼き頃に思っていた。
雲は何処から流れてくる?
貴方を手放した今、
そんな事は如何でも良い

時々寂しくなる。
昔見ていた大きな夢が
叶うはずの夢が
覚めて 今を見渡した時

屁理屈と
付け足された幼稚な弁明が
私を二重に馬鹿にして
貴方を心から醜いものに変えてしまうの

少し寒かった春の夜
貴方と眺めた 美しい桜
月明かりに照らされて
まるで闇に浮かぶ蛍
そして、其れを美しいと感じた?
『いいえ。』

雄大でもない
その頼りない背中に顔を埋め
何滴 涙を落としたでしょう。

貴方と私の
価値観がもう少し似ていたならば
物語は美しく幕を閉じたでしょう。


時は過ぎ、
私は悔やんだ。
貴方じゃなきゃ 感じないことを・・・
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