「終わり」がわからなかった/クリ
 
丼にありつけない日もある
優しい鼓動を聞くことはそう滅多にはなく
膝枕が入れ替わり立ち替わり現れるものの
その膝でミゾオチに蹴りを入れられたりもする
道は大抵四次元構造で、必ず行き止まる
そうしていつの間にか知らされる
心臓は止まり、ミルクは尽きること
恋人は去っていくものであること、道は終わること


「大人になる」ということは全然大したことではない
ただ知っていくこと、それだけ
「終わりがある」ということを知ることがほとんどだ
そして、自分にも終わりが来ること、それも知る
終わった後のことをそれほど怖れはしないけれど
終わることそれ自体がイヤなものはたくさんある
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