「終わり」がわからなかった/クリ
 
母の胸にいると、いつもミルクがあり
心臓のトックトックが子守唄で
ミルクもトックトックも途切れることはない
だから大きくなってお菓子を食べて
もっと食べたいのに袋は空で
何故なのかわからなくて泣いた


札幌に住んでいたときは道は碁盤の目で
子供の目で見るかぎり道は東西南北に果てしなく続く
だからふと疑問に思うときが来る
「道路は海に出会うと、どうするのだろう?」
つまり、道は人が作ったものであり
それには行き止まりがあること
そのことを子供はなかなか理解できなかった


社会に出ると子供は残酷に成長させられる
ミルクもお菓子も稼がなければならず
夕飯の牛丼に
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