怪物(けもの)夜景/久野本 暁
 
コ(こ)ース上の 太陽を踏みつける いつもの時間

ち(ち)ょうど 感じていない を 感じているはずだ

螺(ら)旋する 輝きの変動に 惑わされる頃に

二(に)千人 監視の目を盗んで くるぶしをノックをしては

お(お)はようぞんじます 十尺の腕で会釈する 愛しい姿に

色(い)違(ろちが)いの点線 三次元な振動 何も足りていない老人

電(で)燈(んとう)の上から カーテンの裾から 手を振る足が見える

よ(よ)うこそ ようこそ あと一歩で ようこそ ようこそ

           彼らの挨拶は左端にまっすぐ落ちてきた
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