成人式には、間に合わなく/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 

「じゃあ、元気でやれやな」
と言って封筒をくれた。餞別だった。3万程入っていた。
 その心遣いに、多少後悔の念が起こったが、一度決めてしまったことはもう変えられなかった。深々と頭を下げてそのまま店を後にし、飛行機で東京を離れた。
 前の専売所とも合わせて1年9ヵ月。自身の力のなさと認識の甘さを思い知らされた期間だった。
 

 やっと実家に帰ると、しばらく休むことにした。
 するとすぐに、わけもなく悩み始めた。
 毎日決まって寝る前になると、昔やってきたささいな失敗をを思い出しては、たいした理由がないにもかかわらず誰に対してでもないのに申し訳なくなり、憂鬱な気分になっていったの
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