成人式には、間に合わなく/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
戦わざるを得ない自分とを。
 世間から、隔離されたようだった。
 精神的にも肉体的にも、そして制度的にも成人には、間に合ってはいなかったのだと、思われてならなかった。
 ただ、プレゼントがもらえると聞いていたので、それが手に入らないのだけが少しだけ悔やまれはしたが、それすらもらう資格もないのだと思えば、納得せざるを得なかった。

「成人か……。これから、どうしようかな……」

 ニュースが終わりつぶやくと、これからのことが、遥か遠くのもののように思われた。
 考えるだけで、気が遠くなっていった。

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