心音/M?lodie
 
気を催すような繊細な脳だろう

けど、
心、とやらが胸にあるなら
不規則な鼓動を打つ心臓なんかじゃなくて
一本煙を吸っただけで黒く萎縮する肺だろう

心が引き千切られそうな瞬間を
思い出しては、
曖昧さや優柔不断さを誰も責めないのによ

酸素過多で転げ回ればそれを
非難するなんて可笑しくない?

痛むとき、

引き千切られそうなとき、

酸素不足、もしくは酸素過多で、
地面にしゃがみこんでしまう

そんなとき、

ようやく社会とやらは不適合って
張り紙を背中に接着する
何かの医学書で見たような名前を
それこそ特定、名指しでね、接着する

何の意味も含まないで羅列した文書
その数行だけの人格に成り果ててしまう

もしくは

最初からそれしか無かったんだなって
とても見やすい形で
重たくて分厚い本を抱えて
そこにはイマ流の心の在り方が
どうにも笑えてしまう成分解析で
たった数行で表せてしまう

心の引き千切られる音も

色も

感触も

どこにも無いのによ

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