「あたりまえの日々」/服部 剛
 
隙間を走り抜ける学生に追い抜かれ 

ふと見下ろした足元に落ちている 
破れた切符を無数の足が踏んでゆく 
「 あたりまえの日 」の上に明日も僕等は立つだろう

駅構内を出て、 
川に架けられた橋を渡り 
いつものバス停へと続く歩道沿いには 
紅と白を敷き詰めて咲くツツジの花々

仄(ほの)かな陽射しを首筋に受けて 
職場へと連れてゆくバスに向かって 
明日も僕はゆくだろう 

不器用な勇み足で 




    * 1「 周作クラブ 」
      ・・・故・遠藤周作氏と親しかった人とファンの会。 
    * 2「 あたりまえの日に帰りたい 」
      ・・・小林茂登子 著(時事通信社)
    * 3「 私が棄てた・女 」・・・遠藤周作 著(講談社) 




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