例えばこんなふうに/nm6
い水色にちょっと緑色がかっていて
クシャミとも咳ともつかぬ勢いですり抜けて
自転車の金具がひとつ外れて
とにかく雲のように追い抜いていきます
冬の寒さに
とりあえず風邪をひかないように
夜と泥棒について考える猫と
口笛で横切る自転車を
地面の下がどこまでコンクリートでどこから土なのかを
つきぬけて
途方に暮れる夜と
反対側にへばりつく朝を
交換しに
そうして 気になるのは
カタカナを重ねてきたぼくたちのことですが
どうしようかと 途方に暮れまして
黒い地面の バリエーションにとんだ想像で
煙突にのぼる煙は そりゃそうだと言っていますし
マントルとマントヒヒが交尾する夜は
例えばこんなふうな クシャミとも咳ともつかぬ勢いで
ぼくらの願いは ただのこれしきひとつですが
すすめ とかではなさそうですね
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