すべるる、ひふ/
 
すがたも、かたちもないものを、
となえるとき、すぐにこたえてしまうところは

すべりこむからだにふちゃくするにおい
かたちのないものをもとめてしまう

かたちのあるものでもとめてしまうのだ
すくなくともきっと、てのなかにあるとしんじてる

よわってすりきれているあなたもいとおしい
ただ、よるはあいまいなしずけさで
あなたははりのようなするどさで
ここにすわっております

らくえんはとおく
かたちのないものはするどくつめたく
いみすらもとむることができない

すべりこむからだにふちゃくするにおい
つめのあと

ここにいたいといったとしても
みみははるかとおくへとんでいる

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